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2006.9.29

先日書いた、大沢在昌著の「新宿鮫」シリーズについて追記します。
私が一番好きなこの小説の場面は、Vol.8の風火水脈のラストです。今は手元に無いので、細かい文章は覚えていませんが、記憶の限りでは以下のような内容だったと思います。
その小説の中心人物に経済ヤクザ(実はそんなに悪人ではない)と、薄幸の愛人(彼にはヤクザを辞めてもらいたいと思っているが、それを言えないでいる)がいます。最終的にその経済ヤクザは罪を犯して捕まるのですが、その時愛人にこう言うのです。「つとめが終わったら、二人で鮫島さんのところに挨拶に行こう。」これはヤクザを辞めて、正式に結婚しようというプロポーズなのです。泣かせるシーンでした。でも興味のある人は、必ずシリーズのVol.1から読んで下さい。
明日からスイスのチューリッヒで開催される、ヨーロッパの強皮症会議EUSTARに参加してきます。その為、数日間はブログをお休みしたいと思います。

2006.9.26

一昨日買ってきた大沢在昌著の新宿鮫Vol.9「狼花」を、2日間で一気に読み通しました。本当にこのシリーズは大好きなのです。なぜなら、登場人物にそれぞれの深い人生を背負った「心」があるからです。夢中になって読み終わると、鮫島警部がもっと好きになりました。晶がほとんど登場しなくなってきたのが、気掛かりですが・・・。
このシリーズはVol.1~Vol.8まで3回以上読んでいますが、もし興味のある方は必ず・から読んで下さい。光文社文庫にあります。ちなみに第1作は1990年の出版です。

2006.9.23

ただ今金沢のホテルに泊まり込んで、新しい本の執筆活動真っ最中です。私がこの本を書こうと思ったきっかけは、医療不信が強調される現在の医療についての問題点を整理し、本来のあるべき医師と患者のあり方を提起したいと思ったからです。
医療はサービス業の1種で、医師もその中の労働者です。しかしながら現在の医療においては、あまりにも患者の権限が主張され過ぎて、自己犠牲を払わない医師は「悪徳医師」と見なされてしまうという風潮が、かえって医療不信を生んでいるのではないかと私は考えます。

話は変わりますが、昨日は来年度入局者に向けての医局説明会を行いました。私と助教授の「かけ合い漫才」のような雰囲気の中、少なくとも3名の研修医より“ほぼ有力”との好感触を得ました。来年は大幅に人員が減少する見込みですので、新しい仲間を迎えて、何とか乗り切ってみせようという勇気を頂きました。

2006.9.20

初期臨床研修システムのマッチング中間報告の結果が報告されました。金沢大学では計3つのコースがあり、総定員40名のところ、1位志望者だけで31名を占め、昨年までの落ち込みを考えると驚異的な復活を遂げました。
私は申し訳なくも4月半ばで過労で倒れ、第2内科の山岸教授にセンター長を替わって頂きましたが、皮膚科教室の医師2名が改革プロジェクトチームに残って貢献してくれました。このような結果を出してくれた二人の医師を、私は誇りに思います。
最終マッチングまではまだまだ油断は禁物ですし、本当の試練は来年度の研修医を迎えてからの研修体制の整備だと思います。今後は教育担当の副院長として、少しでも役に立てれば良いと思っています。

2006.9.19

本日は臨時スタッフミーティングを開き、来年度以降の能登地域における皮膚科医療のあり方について、深夜に及んで話し合いました。本年度から来年度にかけての医局の状況としては、留学や開業などで10名近くの医師が教室の業務を離脱することにより、地域医療の維持は容易ではありません。
議論の中、大きく2つの意見に分かれました。1つ目は大学の医療の質を低下させないためにも、地域医療への医師の紹介は大幅に削減する(これは国策による結果でもあり、後任については国策に従って地方自治体に任せる)という意見。2つ目はこれまでの教室の地域医療への貢献と、地域の住民のニーズを考え、ここ数年は歯を食いしばってでも教室が地域医療を支え続け、金沢大学皮膚科学教室の真の力をさらにアピールしようという意見でした。
論議の前半は前者が優位を占めました。ところが時間が経過し、論議を重ねていくうちに後者の支持が増えていきました。結果「大学は少数精鋭が当分頑張り、医師紹介ではなく能登半島の皮膚科医療を有機的に組織することで、これまで以上に質の高い医療をオファーできるのではないか。」という頼もしい意見にまとまりました。このような意見を出してくれたスタッフを、私は誇りに思います。今後は具体的な案について、関連病院と話し合いを進めていく予定です。

2006.9.13

ここ数日の間に気温が下がり、すっかり秋めいてきました。今日は大学病院と関連病院との関係について書いてみます。

初期臨床研修義務化後、地方大学や特定の診療科の入局者は激減しており、当教室も充分な人材が確保できず、地域医療への貢献という面では大変厳しい状況になっています。新聞やニュースを観ていても、連日のように過疎地やへき地から医師がいなくなるといった話題が報じられています。
このような状況に至った原因は『大学医学部医局制度打破』をスローガンとする国策にあるので、一番の被害者はそれぞれの地域におられる患者さんです。国の方針としては各自治体は大学に頼らず、独自の努力で医師を確保せよということですが、現実には金沢大学の関連病院に独自で動く気配は感じられません。
果たして大学医局制度というのは、本当に悪いものなのでしょうか?ベルトコンベアー式の今の研修システムより、かっての徒弟制度的な研修の方が若い人の能力は伸びるのではないか。また地域医療への責任を、医局という共同体が共有することで日本の医療は成り立ってきたのではないかという想いが否めません。
このままの状態が続くと、大学の教室はかつてのような診療・研究・教育の質ではなく、診療科名と地域のみで勝ち組と負け組が決まってしまいます。努力しないでも人が集まる都会の大学病院で、優秀な人材が育っていくでしょうか?文科省のゆとり教育と同じで、医療政策も是非早急に見直して頂きたいものです。

2006.9.11

先日ブログで書いた「高校野球での松井選手に対する連続敬遠問題」で、我が息子から反論が出ましたので、ここで紹介したいと思います。
彼の意見としては、高校野球は勝つためだけにやっているのではなく、教育の一環と考えている人もいるハズである。そういう立場から見ると、監督の一方的指示での敬遠は「監督による勝つためだけの指示」となるので、間違っているのではないか。もし選手自身が自ら敬遠という方法を選んだのであれば、それで構わないと思うけれど・・・。ということでした。
若い息子の方が保守的な考えを持っているような気がしますが、親子でこういう議論をするのも楽しいものです。ちなみに彼は東大経済学部の金融工学専攻で学ぶ、修士1年生です。

2006.9.7

今年に入ってからの全身性強皮症の初診患者さんを皮膚科病棟医長にまとめてもらったところ、セカンドオピニオン外来を受診した人も含めると19名(1月~8月末の集計)でした。その内訳は石川県から6名、富山県から4名、福井県から2名になり、その他7名は大阪・東京などの北陸以外からの患者さんでした。
遠方からはるばる来院される患者さんの為にも、日本の強皮症医療と研究の拠点病院としてもっと気を引き締めて頑張っていきたいと思います。

2006.9.6

教室員との面談が順調に進んでいます。その中で出た話題で、アトピー性皮膚炎について少し触れたいと思います。何人かの教室員から、アトピー性皮膚炎の診療において最も大切なものは何なのか?という質問を受けました。
私の答えは何だと思われますか?それは「絶対に妥協しないブレない医療」です。アトピー性皮膚炎の患者さんは、誤った情報や薬への不信感、将来への不安など様々な悩みを抱えており、非常に不安定な精神状態で来院されます。
そのような状況の中、ついつい「患者さんの希望だから」という妥協的な治療に走りがちですが、私は「自分に信念の持てない治療はできません。」と言って、一歩も引き下がらない気持ちで治療しています。そのような強い気持ちが最終的には患者さんの信頼感を得るものと信じているからです。

2006.9.3

先週の火曜日から教室員との面談を開始し、いろいろなサプライズもありました。今まで十分に果たしてこなかった主任教授としての私の仕事が、多々見えてきています。それらの想いを一度、この場を借りてまとめてみたいと思います。

1. 教室員の働く環境を整備するのも、主任教授の仕事。
皮膚科は女性医師の多い科で、みんな育児と家庭、仕事の両立を目指して頑張ってくれています。研修義務化や地方での医師不足の中、女性医師でも働きやすい環境を教室内に整備し、また地域の病院に対して要望していくことも私自身の大事な仕事であるということに気付きました。

2. 若い人には身近なモチベーションを持ってもらう。
今年から面談を年2回にした一つの理由は、これまでの半年に達成してきた成果と、これからの半年に達成しようと思う目標を、個々に考えてもらいたいからです。
すなわち、今の若い人は近いところに具体的な目標やモチベーションを設定してあげないと、なかなか地道な努力ができないものだということに気付いたのです。

3. 教室員の価値観も短い期間に変わってしまう。
人事の根底にあるのは、決定された側の満足度にあると思います。ここ数年で気が付いたのは、日々変化する教室員の価値観を把握していないと、円滑な人事が計画できないということです。そういう意味でもこれまで以上に、教室員とコミュニケーションを取る必要が生じていると思います。

面談はまだ始まったばかりです。これからも教室員の本音の意見を聞いていきたいと思います。

2006.9.1

昨日でようやく夏休みの外来が終わりました。途方もなく長い夏休みだった様な気がします。アトピー性皮膚炎の再診患者さんだけで500名以上は診察しました。同じ数の患者さんを冬休みの短期間に診察するのは、スケジュール的に厳しいものがあります。その為12月25日~28日の4日間は、午前午後ともすべて外来診療に当てることにしました。

教室の中としては8月29日より、教室員との2回目の面談を開始しました。長期と短期に渡っての希望を聞いているのですが、私が予想もしていなかったようなサプライズが返ってくることもあり、今年から面談を2回にして良かったと思っています。

プライベートでは、今日の午後少し時間が空いたので、数年ぶりに眼鏡を新調しました。通常のものと、思い切って旅行用のサングラスと2つ注文しました。

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