免疫沈降法とは
膠原病をはじめとする自己免疫疾患ではさまざまな自己抗体が検出されます。
自己抗体は相互に排他的で通常一人に1つの抗体が陽性となります。自己抗体が明らかになることは、各症例の診断のみならず、臨床症状の予測、治療の選択、予後の推定に非常に有用です。自己抗体の検出方法として、蛍光抗体間接法、ELISA法、二重免疫拡散法、免疫沈降法などがあります。当教室では2002年から免疫沈降法による自己抗体の同定を行っており、これまでに3000例以上の検体を検査してきました。
免疫沈降法を用いることで、ELISA法では検出できない自己抗体(強皮症の場合:抗Th/To抗体、抗U3RNP抗体、抗hUBF抗体(抗NOR90抗体)、皮膚筋炎/多発性筋炎の場合:抗SRP抗体、抗NXP-2抗体、抗SAE抗体、抗ARS抗体症候群の場合:抗EJ抗体、抗PL-7抗体、抗PL-12抗体、抗OJ抗体、抗KS抗体、SSc-myositis重複症候群の場合:抗Ku抗体、抗PM-Scl抗体、抗RuvBL1/L2抗体)を測定することができます。
当教室では、免疫沈降法を用いた膠原病の自己抗体解析を行っております。
解析をご希望される方は、下記フォームよりご連絡いただくと折り返しご連絡をさせていただきます。
免疫沈降法で測定できる自己抗体
強皮症 | 抗Th/To抗体、抗U3RNP抗体、抗RNAPⅠ/Ⅲ/Ⅱ抗体、抗RNAPⅠ/Ⅲ抗体、抗RNAPⅡ抗体、抗Topo-Ⅰ抗体、抗hUBF抗体(抗NOR90抗体) |
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皮膚筋炎/ 多発性筋炎 |
抗Mi-2抗体、抗SRP抗体、抗MDA5抗体、抗TIF1抗体、抗NXP-2抗体、抗SAE抗体 |
抗ARS抗体症候群 | 抗Jo-1抗体、抗EJ抗体、抗PL-7抗体、抗PL-12抗体、抗OJ抗体、抗KS抗体 |
SSc-myositis 重複症候群 |
抗Ku抗体、抗PM-Scl抗体、抗RuvBL1/L2抗体 |