先輩の声

⽪膚科の先輩

Message

01難しくて、悩ましくて、でも面白くて
やりがいがある。それが皮膚科です。

大学では病棟担当と外来担当とで別れており、入局1年目の医師は病棟を担当することになっています。病棟管理以外にも、1年目の若手医師は教授の外来や予診で外来診療を学ぶ他、臨床写真の整理、カンファレンスでの症例提示や病理デモといった仕事があります。皮膚科領域は他科と違い症状をひと目みて把握できることが多く、痛みや痒みといった症状が強く出やすいという特徴があります。そのため症状の経過を患者様と共有でき、状態がよくなれば喜んでいただけることが多く、医師として冥利に尽きることだと思います。また治療がうまくいかないときもすぐに察知できるため、最適解を模索し続けるのは皮膚科医としての醍醐味です。

⻄尾 次郎にしお じろう

2021年入局

⼊局した理由

皮膚科を専攻するにあたり、出身が愛知県なので地元に戻るか出身大学である金沢大学に残るか迷ったこともありました。しかし、学生時代実習で回った際に当教室の雰囲気がよく、優しい先生ばかりで、熱心に指導してもらえたことが心に残っていました。また総会や中部学会、皮膚科サマースクールなどを通して、入局前に皮膚科学の面白さを体験できたのも決め手になり、入局を決めました。

⼊局して良かった点

若手でも経験が積め、肩身の狭い思いをしないのが当教室の特徴です。初めは創傷管理など基礎的なことから学び、徐々に難解な症例も担当するようになります。膠原病の研究に重きを置いているため、皮膚筋炎や強皮症などの症例に早くから触れられるのは皮膚科医として強みになります。一方で同期はもちろん上級医ともざっくばらんに談笑できる、のびのびとした環境が整っているのもとても良い点だと感じています。

1⽇の流れ

8:30

病棟回診

毎週火曜日にあります。入院患者の状態や治療内容について共有し、今後の治療方針について教室全体で検討します。

9:30

予診

当番制で予診係をすることがあります。当科初診や他科からの紹介患者について病歴聴取を行い、外来担当医の診察に繋ぎます。

11:00

病棟管理

担当患者の診察やカルテ記載等行います。主に病棟回診で教授や病棟医長と相談した内容をもとに、再度指導医と相談しながら治療方針を組み立てます。

12:30

昼食

病院の食堂で昼食をとります。同期や上級医と食べることがほとんどです。仕事以外の話もしてリラックスできる時間です。

13:00

種々の仕事

午前中に終わらなかった仕事をしたり、新たに担当する患者が入院する場合はその対応をします。夕方のカンファレンスで発表する担当になっていればその準備をすることもあります。他にも退院時サマリの作成をしたり、診療に必要な文献を読んだりします。もちろん専門外来に見学に行くこともできます。

15:00

夕方回診

担当患者に異常がないかチェックします。必要な検査や処方について確認します。

16:00

カンファレンス

毎週火曜日にあります。ここでは主に臨床写真をもとに外来患者の治療方針や病棟患者の経過を確認します。また、病理の発表や入院患者の症例提示をする機会があります。その他、抄読会や研究カンファ、学会予行、事務連絡など行います。

17:30

帰宅

カンファレンス終了後は残って自習や資料作り等をする医局員もいれば、帰宅する医局員もいます。お子さんのいる女性医師も多く在籍しており、残業がほとんど必要ないことはライフスタイルの幅も広がりよいことです。火曜日以外もほとんど定時(17時)に業務が終了し、自由に使える時間は多いです。

⽪膚科の先輩

Message

02患者様に皮疹の改善を実感していただき、
喜ばれることが多いのが皮膚科の醍醐味。

私は外来担当しており、大学病院と市中病院で外来業務を4日行い、1日は研究という勤務スタイルです。毎週火曜日は、教授の膠原病外来の補助をさせていただいており、よい勉強の機会となっています。元々、膠原病を知り興味が湧き皮膚科に入りましたが、持ち前の旺盛な好奇心により、皮膚外科や炎症性疾患など様々な分野にも興味を持つようになりました。皮膚科は血液検査やCT・MRIなど画像検査で所見が得られないことも多く、皮膚の見た目や触感といった少ない情報から鑑別疾患を挙げて必要に応じて検査や治療を進めていくのが醍醐味です。学べば学ぶほど奥深い世界が広がる、噛むほどに味の出るするめのような皮膚科の魅力を味わってほしいですね。

堀井 幹喜ほりい もとき

2018年入局

⼊局した理由

学生の頃から膠原病に興味があり、漠然と将来は膠原病を専門にしたいと思っていました。金沢大学皮膚科は膠原病のオーソリティであることは知っていましたが北陸出身ではないため、地元に帰って就職するか、金沢大学に残るか決めかねていた。しかし学生実習で当教室を回った際に、教授をはじめとする、先輩医師たちの診療・研究に対する熱い思いに触れてここで医師として成長していきたいと思い、入局を決めました。

⼊局して良かった点

当教室は県内・県外より様々な症例が集まるため、早期からまれな皮膚疾患を含め多彩な症例を数多く経験できるのが強みだと思います。特に強皮症や皮膚筋炎などの膠原病に重きをおいているため、日本全国から患者様が受診に来られます。元々膠原病に興味があり、入局を決めた私にとっては、臨床面・研究面ともに最適な環境だと感じます。また年間2週間の休暇が取れ、充実した私生活を送れる点も魅力だと思います。

研究について

私は現在、「アトピー性皮膚炎モデルマウスにおける制御性B細胞の役割の検討」をテーマにアトピー性皮膚炎における免疫の異常について研究をしております。アトピー性皮膚炎モデルマウス病変部の皮膚や各臓器の細胞を染色し、フローサイトメトリーで解析することでどのような細胞がどれだけいるか・その細胞がどのような働きをしているかなどを研究しています。

研究というと個人で黙々と実験に没頭するイメージをもつ方も多いとは思いますが、実際には指導してくださる先生方・研究をサポートしてくださるスタッフなど様々な人に囲まれて研究を進めております。
手技の問題などで実験がうまく進まないことはあります。しかしその一方で、自分が予想した通りの結果が出た時ももちろんですが、思ってもみなかった予想外な結果が得られた時も研究の始めて良かったと実感します。

現在は大学病院で臨床医としての働きながら、大学院生として研究を行っています。当教室では週に1日は病棟業務や外来業務が免除され、研究日がもらえますので無理なく研究を進めることができると思います。

形成外科の先輩

Message

03生活の質を上げることに直結する、
体表面に関する創造的な手術が可能です。

私は少々飽きっぽい面があるのですが、形成外科は取り扱う疾患が幅広く、それぞれに多種多様な手術があるので全く飽きることなく学び続けられます。まれな疾患や初見での手術が多いのも醍醐味を感じます。生活の質に関わるため、ほとんどの方が治療したい意志を明確に持っています。以前、褥瘡を皮弁で治療された患者様が徐々に安静度を拡大して職場復帰された時には大変嬉しく思いました。再発防止のために日々のドレッシングやリハビリによる筋力維持、その他多くの重要な要素があり、手術以外のケアについても勉強になりました。自由度が高く、難しいと感じる場面は多いですが、非常に面白い科です。興味を持っていただけたらぜひ見学にいらしてください。

⽵内 ⼀博たけうち かずひろ

2021年入局

⼊局した理由

学生実習で臍形成術後の赤ちゃんの症例を見ました。その時に、あまりに自然な形態だったことに感動したのが形成外科医を志したきっかけです。北陸では以前から金沢医科大学の形成外科学教室が発展していましたが、近年、金沢大学にも皮膚科学教室内で形成外科診療班が立ち上がり、新入局員がいることを知りました。研修医時代にも、金沢医科大学とローテーションで勤務させていただき、先生方の雰囲気や働き方が自分に合っていると思い、入局を決めました。

⼊局して良かった点

形成外科医はまだ人数が少ないため、指導医との距離が近いのが良い点だと感じます。風通しがよい雰囲気なので疑問や質問などなんでも聞きやすく、上司の執刀をほぼ全て、間近で見ることができるので大変勉強になっています。また、カンファレンスは皮膚科と合同で行うため、皮膚科の症例に関しても知ることができるのは当教室ならではだと感じます。診断に関して学ぶ機会が多いので、良かったと感じます。

1⽇の流れ

8:30

教授回診

皮膚科・形成外科合同で入院患者さんの経過と治療方針に関して共有し、今後の方針を検討します。

9:30

病棟処置

入院患者さんの創部処置を行います。主に術後のガーゼ交換や軟膏処置などです。

11:00

外来手伝い等

病棟処置が終わり次第、外来の手伝いをします。

13:00

外来手術

局所麻酔での日帰り手術です。皮膚腫瘍摘出術がほとんどで、執刀することもあります。

16:00

カンファレンス

先週1週間で撮影した写真を共有し、ディスカッションも活発に行われます。日によって症例発表や抄読会も行われます。